むし歯治療
むし歯治療
歯垢(プラーク)に含まれる細菌(ミュータンス菌)は糖分やタンパク質を分解します。これがむし歯の原因です。それによって排出される酸などが、歯のエナメル質やカルシウム、リンなどの成分を溶かしてむし歯を作ります。
歯質は一人ひとり異なり、むし歯になりやすいかどうかを左右します。歯質を強化するためには、歯の再石灰化を促進するフッ化物を利用しましょう。6歳以上の方には高濃度フッ素配合の歯磨剤の使用をおすすめします。
フッ化物には、むし歯の原因となる細菌の活動を抑える働きがあります。お口の中の細菌量を減らすために、歯科医院でクリーニングを行いましょう。
むし歯のリスクの高い方にはフッ素洗口もおすすめです。
糖分の多い間食が増えると、口の中が酸性になり、むし歯になりやすい状態になります。間食を控えたり、糖分の少ないおやつを選んだり、バランスのとれた食生活を送ることを心がけてください。
特に粘着性があり糖分を含んだ間食は要注意です。できれば間食を2回までにおさえましょう。
お口の中の汚れを洗い流し、お口の中がむし歯になりやすい酸性に傾いた状態を中和して、むし歯になりにくくする作用があります。キシリトールガムなどをよく噛んで、噛むことで唾液の分泌を促すことが効果的です。
むし歯になりやすい要因を考えて、むし歯になりにくい習慣作りをしていきましょう。
治療とともに、予防を考えることが大切と考えております。
初期のむし歯
歯の表面はエナメル質で覆われており、むし歯はまずエナメル質に発生します。エナメル質がむし歯になると、光沢がなくなり白っぽくザラザラした感じになります。むし歯は上の歯と下の歯の噛み合せの部分や、歯と歯の間などに発生しやすく、この段階ではまだほとんど痛みはありません。
歯の内部まで進行したむし歯
エナメル質の内側には象牙質がありますが、むし歯が象牙質まで進むとむし歯の部分が黒く見え、冷たいものや熱いものを食べた時に歯が痛むことがあります。
神経まで進行したむし歯
象牙質の内側には、神経や血管が密集した歯髄があります。むし歯がさらに進行して歯の神経までむし歯菌に感染してしまうと歯髄炎となり、歯がひどく痛みだします。こうなると、むし歯になった部分の歯を削るだけでなく、歯髄まで取らなくてはなりません。この段階まで進むと治療が終わるまで時間がかかるうえ、歯髄を取ると歯がもろくなってしまいます。
歯の根(歯質)が失われた歯
むし歯によって歯の上の部分がほとんど溶けてしまい、歯の根に当たる歯根までむし歯が進行した状態を残根といいます。このような歯の根だけ残った部分の先端、すなわち歯槽骨(しそうこつ)の中に膿の袋ができることがあります。この膿の袋が炎症し腫れてきます。ここまで進むと歯を抜かざるをえなくなる場合が多くなります。
従来むし歯の検査では、肉眼での検査とレントゲン検査が行われてきました。
ひろ歯科クリニックではむし歯の検査の精度をあげるため、拡大鏡を用いて歯を拡大して観察するとともに、レーザー光をあててむし歯の広がりを検査するダイアグノデントを使用しております。
いままで介入されていなかった歯を削ることの重みを感じながら、診査を行っております。
拡大鏡
3倍、5倍に拡大して確認します。
ダイアグノデント
初期う蝕を数値化して管理
基準値を超えるようであれば、治療をすすめています。
1990年代に英国のDr.Eldertonという人が提唱したrepeated restoration cycleという考えがあり、ひとたび歯の切削が行われると、いかに修復しても健康歯質が失われ、抜歯に近づいていくという概念です。
皆様も、歯医者さんで治療するともうむし歯にならないと思っていませんか?私も以前は治療することで、むし歯を退治して、健康に戻せた!と考えていました。しかし、実際には必要があってむし歯の治療のために歯を削り、詰め物、被せ物をするのですが、それによりこのcycleに乗ってしまい、いつかは抜歯にいたってしまう、そのような現状もあるのです。
この概念を知ってから、できるだけ削らないで良い、むし歯になりにくいお口の状態にするにはどうすれば良いのか?歯の治療が必要になった場合でも削る範囲を最小限にする修復を心がけるとともに、むし歯やトラブルになりにくい状態にできるように心がけるようにしております。
痛みに対する不安、治療内容に対する不安、歯を削る際の音や環境に対する不安など、様々な不安を持って来院されると思います。
治療に対する不安をなくすために、痛みに配慮した治療を心がけております。