歯の予防
歯の予防
予防歯科の中心は定期健診、クリーニングなどを行うプロケアとセルフケアと考えております。
セルフケアでとれない歯の汚れを、歯科医院でのプロケアで落とし、さらにセルフケアで上手にお手入れできないところをどのようにお手入れしていくか一緒に考えていきましょう。
また、セルフケアを効果的に行うための歯ブラシ、歯間ブラシの使用方法や歯磨剤、フッ化物の使用などをお伝えします。
3か月に1回のメインテナンスに来ていただいている方であれば、90日のうち1日をクリニックでケアを受けて、89日をご自分でケアしていることになります。つまり、セルフケアの向上はお口の健康にかかせないことと考えます。また、むし歯、歯周病の原因を考えて生活習慣、食生活を考えることもとても大事です。
またメンテナンスを受けていた方は、そうでない方と50歳から開きが出て、80歳では残っている歯に9本もの差が出るという報告もあります。
これは若い時期からメンテナンスを受けている方が歯周病リスク、むし歯リスクを減らしていた結果とも考えられます。
最近の研究では生後48時間で新生児は母親からお口の中の細菌を獲得しているという報告があります。
マイナス1歳からのむし歯予防として歯科医院で検診、クリーニングを受けましょう。
また、日頃の歯ブラシ習慣も大切になってきます。小さい時は一緒に歯磨きを行うとともに、ちゃんと磨けているか確認と仕上げを、ご両親でしてあげましょう。また、小児歯科で定期検診やブラッシング指導を受けるのもおすすめです。
妊婦さんを対象にした予防歯科のことで、お母様に出産前後の歯の健康についての知識を身に着けてもらうことで、出産のリスクを高めないこと、赤ちゃんのむし歯を予防し口の健康を守ること主眼に置いています。
妊娠中に気をつけたいことの一つとしてお口のケアがあります。近年、妊娠中の歯周病(妊娠性歯肉炎)は、早産および低体重児出産へのリスクが高まることがわかってきました。
これらは妊娠中に増加する、女性ホルモンのエストロゲンが大きく関わっているといわれています。エストロゲンが歯肉を形作る細胞を標的にし、また歯周病原細菌の増殖を促ことが知られています。つまりお口の中が、歯茎の炎症を起こしやすくい環境になり、歯周病が非常に進行しやすい状況が整ってしまうのです。妊娠中は唾液の量が減ることも後押ししています。妊娠中期から後期にかけて女性ホルモンが増加するため、さらにリスクが高まります。出産とともに元には戻りますが、清潔な状態を保つことで炎症を抑えることができますので、プラークコントロールを心がけてください。歯周病は予防可能な疾患ですので、赤ちゃんのために確実な歯周病予防を行いましょう。
また、赤ちゃんの口内にはむし歯菌や歯周病菌はありません。それなのにむし歯や歯周病になるのは、口移しやスキンシップによってお母様や家族の細菌が感染するためです。また妊娠すると、つわりによって歯磨きがしにくくなりむし歯になるリスクが高まります。妊産婦の予防歯科では、そうした知識を知ってもらい、必要であれば出産前にむし歯や歯周病の治療をしてもらうとともに、子どもに歯磨きをきちんとするなどの正しい生活習慣を身に着けてもらうよう指導します。
母親にむし歯がある子どもとない子どもを比較すると、母親にむし歯がある子どもの方が2歳になった時のむし歯発生率が圧倒的に高いことがわかっています。
つまり、生まれてくるお子様のお口は、お母様の生活習慣やお口の中の健康状態からの影響を受けやすいということです。また、大人になった時のむし歯のかかりやすさは、子どものうちにむし歯にかかったかどうかが関係しているという報告もあります。(4歳の時点でのお口に中の状況が、成人してからも影響しているといわれております)
お子様のお口に悪いむし歯菌をうつさないよう、妊娠中から治療・予防にしっかりと取り組むことをおすすめします。
生まれたばかりの赤ちゃんは、お口の中にむし歯の原因となる菌を持っていません。むし歯菌はお母様など周囲の大人からうつってしまうことが最も多いです。
また妊婦さんが歯周病だと、早産・流産・低体重児のリスクが高くなるという報告もあります。安全な出産やお子様の健康のためにも、妊娠中から歯科治療・お口のケアに取り組むことをおすすめします。
治療を行う前に、患者様のお口の健康状態に合わせた予防プログラムを設定し、定期的なメインテナンスを行っていく一連の流れのことを言います。検査結果をもとに、一人ひとりに合わせた適切な治療・予防を行います。